ステンレスで凍結乾燥機を製造する理由とは

なぜ凍結乾燥機でステンレス仕様にするのか?、それは錆びに強いからです。

鉄は時間が経つと錆びてしまいますが、ステンレスは非常に錆びにくいので水回りや腐食性の強い環境等で使用する場合に最適であるといえます。

錆びにくいのは、鉄にクロムを添加することで表面に非常に薄い酸化皮膜(不動態皮膜)というものを作ります。この不動態皮膜は傷ついても酸素や水があればすぐに新しく再生され、さびの発生を防ぎいつまでもステンレスが錆びずにいられるのです。

しかしステンレスにも弱点があります。ステンレスは鉄とクロムなどを混ぜた合金なので、異種金属と水があると電池作用がおこり腐食が発生して錆びてしまいます。ステンレスといえど使用後はなるべく水分を拭き取り清掃しておくと長くキレイに使用することができます。

ステンレス仕様の凍結乾燥機

ステンレス凍結乾燥機

ステンレスは鉄と比べてとても高価な金属です。当社では標準で乾燥室とコールドトラップはどちらもステンレス製です。 その他の部分は鉄やアルミ等を使用しています。

ご要望により本体外装、棚、トレー、扉と一部をステンレスで製作も可能です。

この写真の例は本体外側(外装)部分がステンレスで製作した凍結乾燥機です。
水場でご使用になる場合など特別な要件でなければ、高価となるので通常必要ありませんが、そのような設計にすることもできます。

ステンレス仕様凍結乾燥棚

凍結乾燥用ステンレス棚の画像

当社の乾燥棚の材質はアルミで製作しております、理由は非常に熱伝導性に優れていて乾燥時間が早くできるという性能的な 点で標準採用となっています。

ステンレス仕様の凍結乾燥棚も製作が可能です。熱伝導率が落ちるため乾燥の性能は落ちますが、洗浄性や腐食性、硬度などの点で アルミより優れているためとくに医薬品分野では製作のご依頼をいただくことがあります。

凍結乾燥用トレーもステンレスで作成が可能です。

凍結乾燥ステンレストレーの画像

乾燥棚と同様の理由で、凍結乾燥トレーも標準ではアルミ製です。
真空凍結乾燥トレーをステンレスでも製作いたします。
(※ご注文時にご指定いただく必要があります。)

ステンレス製の凍結乾燥室扉

ステンレス扉仕様

乾燥棚の加熱温度が高い温仕様の場合、樹脂扉は溶けてしまうので使用できません。ステンレス製の鏡扉となります。
また蒸気滅菌式凍結乾燥機など、内部に陽圧の圧力が加わる場合なども真空凍結乾燥機扉ステンレス仕様となります。

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