凍結乾燥機とは
凍結乾燥機とは、凍結させた品物の周囲を真空にすることで、内部の水分を昇華させて乾燥させる装置です。
乾燥物に高温の熱を加えずに水分を除去できるのが最大の特徴です。製品の組織や成分、食品であるなら香りや風味なども大きく損なうことなく乾燥させることができます。
- デリケートな成分を取り扱う医薬品業界や化粧品業界
- 食材や料理に付加価値を付けたい食品業界
- 精密な部品を作る製造業界
- 形状や組織を劣化させることなく水分を取り除きたい重要文化財・考古遺物の乾燥に
凍結乾燥機の性能
凍結乾燥機の性能は、以下の3つの部品をチェックすることが重要です
乾燥棚
乾燥棚は、最も重要な凍結乾燥機の部品です。
より良い品質の乾燥品を安定的に生産するために考え出された乾燥棚は、材質や形状、熱設計に至るまで凍結乾燥の為に最大限
最適化した設計で、当社の長年の技術が組み込まれています。
凍結乾燥機用の乾燥棚はムラがなく安定した設計で乾燥速度を考えた温度効率は従来の凍結乾燥機では難易度が高かった分野での凍結乾燥を可能にします。
当社の乾燥棚はラボ機であっても生産用凍結乾燥機を考慮して設計されていますので、より良い仕上りが見込めます。
コールドトラップ
コールドトラップは、水蒸気を捕集する凍結乾燥機の心臓部にあたる部品です。
コールドトラップのチェックポイントは、仕様書に書かれているコールドトラップ容量ではありません。実際に水分をどのくらい凍結乾燥で可能あるか、その際の乾燥速度はどの程度であるのかが重要です。
コールドトラップ能力に余裕がないと、仕様書に書かれた量の水分を飛ばしているにも関わらず、負荷にコールドトラップが耐え切れず捕集した氷が解け始めてしまうことがあるからです。
真空ポンプ
真空ポンプは、氷の昇華に必要な真空作る凍結乾燥機の部品です。
真空ポンプのチェックポイントは、凍結乾燥中に水か入ってはいけません。
真空ポンプに水が入ってしまうと、真空ポンプ内の油が吹き出してしまったり、ポンプの内部がサビてしまいます。また真空度にも影響し乾燥ムラの原因となります。凍結乾燥機の運転では、長時間の高真空状態を保ちそれに耐えうる信頼性のあるポンプが必要です。
また、到達真空度は残留水分の少ない良質な製品を完成される要素となりますので、当社では1Pa以下を標準としています。
最新モデル凍結乾燥機の特徴
機能性
凍結乾燥機で最も大事な部分である乾燥棚を独自で開発し、棚の熱伝導率を最大限に高めました。熱伝導率の高い素材であるアルミ製(※1)の棚に液循環方式を採用することで温度の安定性を向上させ、温度ムラを最小限に抑えることで高品質な乾燥をが可能になります。
また、-80℃の超低温コールドトラップを搭載することで、従来の-50℃のコールドトラップの凍結乾燥機よりも乾燥物の残留水分がより少なくなり、製品の仕上がりの向上、乾燥できる品物の幅が広がりました。
さらに、真空ポンプは実績のある国内メーカー製の真空ポンプを採用し、高い性能と耐久力を兼ね備えたポンプを選定しています。当社の装置はコールドトラップの性能に余裕を持たせ、水分が真空ポンプに入ってしまう危険性を最小限に抑えています。
※1 お客様の要望に応じてステンレス製の棚も製作可能です。
洗浄性
凍結乾燥機は食品業界や医薬品業界で利用されることも多いため、内部が洗浄しやすいことは非常に重要です。
特に乾燥室はコンタミや雑菌の繁殖が考えられるため、こまめに洗浄する必要があります。
当社の凍結乾燥機は乾燥室とコールドトラップを丸ごと洗浄することができます。
また、乾燥室とコールドトラップはステンレスでつくられており清潔に保つことができます。
メンテナンス性
当社の凍結乾燥機は「可能な限りシンプルに」「お客様が扱いやすい」装置を追求し、日常的なメンテナンス作業が必要ない装置を開発しました。真空ポンプの簡単なメンテナンスをするだけで、安定した性能を長期間維持することができます。
その他にも様々なこだわりを持って製品を製造しています。ぜひ各製品の詳細ページもご覧ください。