バイアル封栓タイプの凍結乾燥
バイアル瓶とは、薬品を容れる透明な容器でゴム栓密栓できるようになっており、キャップ天面から注射針を刺して中身が 取り出せる容器のことを言います。
凍結乾燥注射剤の製造においてバイアル瓶は以前より使用されておりましたが、現在では凍結乾燥製剤だけの使用用途ではな く、健康食品や育毛剤、化粧品、香水など、さまざまな分野でも使用され、ねじ式のフタや大きめのバイアル瓶、 色付の容器等、凍結乾燥で密栓可能な瓶の名称としても使われるようになってきました。
小型バイアル瓶封栓凍結乾燥機
バイアル瓶の密栓が可能な封栓式小型凍結乾燥機です。
とくに医療分野の研究での利用実績が多い凍結乾燥機ですが、近年はいろいろな分野での使用も増えています。
凍結乾燥専用のバイアルビンを使用して乾燥を行い乾燥終了後に密栓し装置から取り出して使用します。
長期保存と内部の乾燥物の活性化を防止するために、真空解除を行う段階で内部に窒素を入れた状態で栓をする窒
素置換封栓という方法もあります。
大型封栓凍結乾燥機
大型の生産用凍結乾燥機でバイアル瓶密栓タイプです。
一度に仕込めるバイアル瓶の本数は、バイアル瓶の数や乾燥条件によって大きく装置の設計が変わりますので
大型密栓式凍結乾燥機は、設置場所や乾燥条件など打ち合わせの上設計製作いたします。
コンタミネーションを防止するための乾燥室主弁や停電時の真空保持のため遮断弁等の仕様やバリデーション
等の実施の有無などといった、お客様のご要望にお答えできる体制を整えております。
凍結乾燥機の密栓手順
「凍結乾燥機で封栓できるタイプがわかった。でも、どういう手順で密栓するの?」
「普通の凍結乾燥機を使用しているけど、封栓はどうなっているのかな?」
と疑問を持たれる方のために、大まかではありますが手順をご説明したいと思います。
- バイアル瓶容器に乾燥物を分注してゴム栓の軽く挿入(半打栓)する。
バイアル瓶のゴム栓は側面に隙間があり乾燥中の水蒸気を排出する構造になっています。 凍結乾燥機に入れる際、バイアル瓶のフタを完全に閉めないで半分乗せた状態にしてセットします。 - そのままの状態で凍結乾燥を行う。
フタが乗っている状態で完全に閉まっていない状態なので、 乾燥物の水蒸気だけが排出され凍結乾燥が進行します。 - 凍結乾燥が終了したら、そのままバイアル瓶を凍結乾燥機内で密栓し取り出す。
- 最後に打栓機で増し締め、キャップ付けを取り付けてラベルを貼り完成。
ポイントとしては、フタを半分くらい乗せたまま乾燥をする。
乾燥終了時に、完全に真空解除をする前の弱真空の状態で密栓を凍結乾燥機本体で行いフタをした状態で、
装置からバイアル瓶を取り出し(ここまでが凍結乾燥機の仕事)、キャップをしてラベル等を貼って仕上げる
という手順になります。