凍結乾燥機の利用業界

真空凍結乾燥の技術は主として医薬品の生産、食品製造、生体の乾燥に利用されています。
また、最近では考古学部門や工業部門等幅広く利用され、多くの製品が開発されています。

医薬品業界での凍結乾燥の利用

薬剤の保存性が大幅によくなります。

凍結乾燥後、真空密封、窒素置換密封して酸素を排除した状態にしておくと薬剤の効力、 力価をおとすことなく長期にわたって保存がききます。

薬剤の定量が正確になります。

1単位の薬剤について、液体のままで凍結乾燥をしますので粉体、錠剤にくらべて定量計測が正確となり 製品ムラが少なくなります。
これは、水溶液調合と分注精度が、他の場合方法にくらべて容易であることからきています。

無菌化が比較的容易です。

製剤の最終工程において、無菌生産工程が組みやすいです。
調剤容器、作業者の無菌化の他、1ロット大量処理が可能であり、検査工程における製品保証が確実となります。

食品業界

乾燥工程において、色彩、香気、養分、形状保存ができます。

他の乾燥法にくらべて低温処理であるため、養分破壊がなく、復元性に優れています。
脱水による組織破壊を防ぐのが、この乾燥法の特徴でもあります。

保存・運搬が容易です。

食品は90%近く水分ですので、腐敗に対して最大の注意が必要となります。
凍結乾燥は最終の乾燥度が他の乾燥方法と比べて格段に良いので、保存食品の製造に利用されています。
また、乾燥後の食品は水分が除去された分だけ重量が減りますので、運搬にも適しています。

生体研究部門

血液や細菌の長期保存が可能です。

細胞破壊なしに脱水する方法なので、復水すればそのまま生体活動を復元されるという特徴があります。
その特徴を利用した、保存血液や菌種保存に利用されています。
ヨーグルトなどの乳酸菌等は凍結乾燥で保存されています。

臓器の保存

生体臓器を組織破壊することなく乾燥保存し酸化腐敗を防ぐ、必要なとき復水使用する。
生体組織の保存分野にも利用されています。

考古学部門

考古、出土遺物、地中埋蔵物の復元修復処理に利用され、通常の乾燥と比べるとより長期保存が可能となります。
木造物出土品古書が水浸しになってしまった物の乾燥に利用されています。
動物、植物、昆虫などの標本等の制作に利用されています。

商工業部門

原料等の成分を変質させず完全な乾燥物にして 他の原料や薬品等を混ぜ 新しい製法が 生み出されています。
少しでも水分が含まれていると製造しにくい物には適しています。

その他

いろいろな開発部門で研究等で新製品の開発や、長期保存のために多く利用されて数々の新素材や新商品が誕生しています。

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